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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1089号 決定

〔主文〕申立人が、相手方に対し、本裁判確定の日から三月以内に金二五万円を支払うことを条件に、申立人が別紙目録(一)記載の建物のうち西側16.52平方米(五坪)を除く部分を木造二階建共同住宅床面積一階52.06平方米(一五坪七合五勺)二階55.37平方米(一六坪七合五勺)に改築することを許可し、本件借地契約の賃料を右金員支払の月の翌月分から一カ月3.3平方米当り八五円に改める。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から、別紙目録(二)2記載の土地105.15平方米(三一坪八合一勺(以下本件土地という)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に同目録(一)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。右借地契約の現在の内容は、同目録(二)記載のとおりである。

2 申立人は、本件建物のうち西側五坪を除く部分を主文記載の二階建共同住宅に改築したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた前記1の事実のほか、増改築をなすには賃貸人の承諾を要する旨の特約が存することおよび本件改築は土地の通常の利用上相当であることが認められる。申立人は、本件建物のうち西側五坪を除く部分を取り毀し、本件改築をなすべく基礎工事に着手したところ、相手方から右工事を理由に借地契約解除の通知に接し、工事を中止して本申立に及んだのであるが、右の程度の工事の段階では現状回復が容易であるばかりでなく借地法八条ノ二は、土地の合理的利用を促進させるため右合理的利用を妨げる賃貸人の恣意を抑止する必要ありとの観点から新設されたものと解すべきであるので、右のように基礎工事の段階で工事を中止して本申立に及んだ場合には、解除の効果は発生せず、右申立は、違法というべきであり、本件改築は土地の通常の利用上相当であるので、本件申立は、これを認容すべきである。

2 附随処分

本件改築許可の裁判により、本件借地権は強化されるので、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に財産上の給付を命ずるのが相当である。その額は鑑定委員会の意見に従い金二五万円を相当とする。なお同委員会の意見に従い、本件借地契約の賃料を3.3平方米当り一カ月八五円に改めることとする。(小山俊彦)

目録

(一) 東京都杉並区南荻窪一丁目一五三番地

家屋番号 一五三番一

木造亜鉛メッキ鋼板瓦交葺二階建居宅

床面積 一階 62.10平方米(一八坪七合六勺)

二階 37.19平方米(一坪二合五勺)

(二) 土地賃貸借契約

1 当事者

賃貸人 相手方

賃借人 申立人

2 借地

東京都杉並区南荻窪一丁目一五三番二

宅地 105.15平方米(三八坪八合一勺)

3 目的

非堅固建物所有

4 期間

昭和五五年四月二五日まで

5 賃料

昭和四四年四月一日以降一ヵ月一九〇八円

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